ボールパイソンの病気と怪我

ボールパイソンも、人間と同じように病気に掛かったり、怪我を負ったりします。

 

人間に於いてはちょっとした怪我や病気でも、ボールパイソンには大打撃になることがあります。

 

代表的な病気や怪我の症状をまとめていきます。

 

病気

ボールパイソンが最も患いやすい病気は呼吸器系の病気です。

 

病気に掛からないことが一番ですが、万が一掛かってしまった場合は症状を見逃さず、早期回復を目指しましょう!

 

呼吸器疾患

呼吸器疾患にかかったボールパイソンは口を開けて呼吸するようになります。

 

鼻孔や口の周辺に泡立った唾液が付着していたり、呼吸が荒い、咳やくしゃみといった症状も見られます。

 

また、重要な兆候として、胴体をほとんどまっすぐに伸ばしている姿勢で休息していることがあります。

 

原因は実に様々です。

細菌

ウイルス

カビ

寄生虫

湿度が適切でない

タバコの煙や刺激臭にさらされ続ける

過度の肥満

鼻詰まり

等の発症ケースがあります。

 

呼吸器系に疾患のあるボールパイソンの歯茎は、青みがかっています。

すみません、画像はわんちゃんですが、イメージとしてはこういった感じです…(´`)

 

この状態をチアノーゼの言い、酸素が不足していることが原因です。

 

健康なボールパイソンの歯茎はピンク色!

 

呼吸器疾患を発症した場合、

ボールパイソンを病院に連れて行くことと共に、

飼育環境の見直しもしましょう。

 

肺炎

ボールパイソンには、唾液や痰を吐き出す機能がありません。

 

呼吸器疾患に掛かると、肺に唾液や痰が溜まってしまいます。

 

その結果、肺に空気が入り込む余地がなくなり、絶命に至ります。

 

症状は呼吸器疾患の項目で書いたものと同様です。

 

呼吸器系疾患に掛かってしまった時の対処法

第一に、ボールパイソンの自己治癒力を上げることが重要です。

 

まずは温度をあげましょう。

 

ボールパイソンが最も高活性になる、33℃くらいに設定します。

 

病院でしてもらえる対処法は、抗生物質の処方、気道の洗浄等です。

 

個体の様子を見て、必要があれば速やかに病院へ連れて行きましょう。

 

そして、餌を与える時は通常時より小さめのサイズにしましょう!

 

唾液や痰が溜まった肺は、餌によって更に圧迫され、呼吸ができなくなってしまうからです。

 

封入体疾患

別名IBD(Inclusion Body Disease)とも呼ばれる、急性且つ致命的な病気です。

 

ボールパイソンに於ける封入体疾患は、感染するとすぐに神経症状が出ます。

運動機能障害

方向感覚異常

平衡感覚異常

これにより、動けない・まっすぐ進めない、といった症状が見られます。

 

直接の接触か、ダニを介してヘビからヘビへ感染します。

 

感染する病気なので、

多頭飼育の場合、他のボールパイソンに移らないよう隔離する等の手立てが必要です。

 

怪我

爬虫類は痛みに鈍感なことがほとんどです。

 

怪我している患部を酷使しても、自分では気付けません。

 

飼育者が気を付けてあげる必要があります。

 

マウスロット

人間でいう口内炎です。

 

例えば、給餌の際にピンセットで口腔内を怪我するなどして発症します。

 

他には、歯が抜けた、鼻先や口を強くぶつけた、等の外的要因が元となります。

 

口腔内の患部が膿んだようになります。

 

(厳密には、ヘビには膿を発生させる機能がないので、膿とは違います。)

 

マウスロットは健康なボールパイソンであれば、自己治癒できます。

 

免疫が落ちている時など、心配な場合は病院に連れて行きましょう。

↑マウスロットの症例の一部

 

火傷

ボールパイソンは自分自身で火傷を負うほどの高温を感知することができません。

 

プラケで飼育する際は床材を厚さでパネルヒーターによる熱を調整しましょう。

 

保温球を使用する場合はボールパイソンが直接ライトと接触しないよう、ケージの外から当てるなど、工夫が必要です。

 

ボールパイソンの皮膚は回復力に優れています。

 

ただし、重度の火傷の場合は病院に連れていきましょう。

↑比較的軽度の火傷

↑重度の火傷

 

すり傷

すり傷は、表皮の一部がこすり取られた怪我のことを言います。

 

脱走しようとしたり、小さい穴に無理やり入り込もうとした際にすり傷ができることがあります。

 

ボールパイソンの鼻先にすり傷が見られる場合は、ケージが狭いために網戸などに鼻先を擦りつけている可能性があります。

 

ケージの大きさを見直しましょう。

 

通常すり傷は、1~2回の脱皮で治ります。

 

内部寄生虫

内部寄生虫は、ボールパイソンの身体が成長を見せない場合に疑われます。

 

一般的には飼育下のボールパイソンにとって内部寄生虫は問題にはなりません。

 

適切な飼育環境にも関わらず

 

身体が大きくならない、餌を食べても痩せていく

 

等の症状が見られる場合は寄生虫の検査をした方がよいでしょう。

 

病院で検査をしてもらう場合は、24時間以内に採取した新鮮な糞をタッパーやジップロックに入れて持っていきます。

 

尿酸では検査できないので注意!

 

クリプトスポリジウム症

内部寄生虫で最も怖いのがクロプトスポリジウムです。

 

感染力がかなり強い病気で、命を奪うこともあります。

 

原因は、Cryptospordium serpentisという球菌です。

 

効果的な治療法が見つかっていません。

 

症状は以下の通りです。

餌を食べた数日後に、ほぼ未消化のまま吐き出す

食欲減退

下痢

胃壁の硬質化(胴体中央部分が硬くなり、健康時のように簡単に曲がらなくなる)

 

基本的には、クリプトスポリジウム症に感染したボールパイソンの排泄物と接触することによる伝染が多いです。

 

餌となるネズミがクリプトスポリジウム症だったとしても、それがボールパイソンに感染することは無いそうです。

 

また、中には何年も症状を示さない場合もあります。

 

今のところ、クリプトスポリジウム症の治療に成功した事例はありません。

 

クリプトスポリジウムの感染予防

まめに糞便を取り除く

糞便を扱った後は、よく手を洗う

クリプトが疑われる症状が出た個体は隔離する

クリプトは熱に弱いので、発症個体のケージを熱湯消毒する

また、クリプトに感染している個体が脱走し、外部にクリプトを持ち出してしまうと大惨事に繋がるおそれがあります。

 

爬虫類に寄生虫はつきものですし、飼育者としてはある程度知識を身に付ける必要があります。

 

大事なペットの免疫力を高め、少しでもリスクを減らしていきましょう。

 

外部寄生虫

ボールパイソンの皮膚上で最もよく発見される外部寄生虫はダニヘビダニです。

 

ダニ

ダニに寄生されるのは自然界で捕獲されたWC個体(野生個体)や、WC個体と同じケージに入れられていた個体だけです。

 

飼育下でダニが繁殖・蔓延することはほとんどありません。

 

ボールパイソンに寄生するダニは、人間や犬にも寄生します。

 

ダニは目視できる程度の大きさなので、万が一見つけたら指やピンセットで取り除きましょう。

 

現在では、WC個体であっても国内に入れられる前にダニ除去の作業が義務付けられています。

 

ヘビダニ

ヘビダニはダニよりはるかに小さく、厄介です。

 

ただし、ヘビダニはヘビ固有の寄生虫で、人間やその他のペットには寄生しません。

 

ヘビダニはボールパイソンだけでなく、どんなヘビにも寄生・繁殖できます。

 

機会さえあれば、飼育下のヘビにも伝染することもあります。

 

一般的に、ヘビダニに寄生されたボールパイソンは、不快感から常に動き回ったり、水入れに浸っていたりします。

 

手を打たずに放っておくと、ヘビダニは増殖し、最悪の場合ボールパイソンは貧血に陥り死に至ります

 

ボールパイソンの購入の際に、ヘビダニがついていないか確認しましょう。

 

ヘビダニの有無の確認の仕方

・基本的には、ボールパイソンの胴体の上で動いているものを探す。

 

若いヘビダニは半透明でとても小さく見えずらいが、暗色の鱗の上を移動している時が比較的発見しやすい。

 

成長したヘビダニは暗色で、鱗の間に張り付いてることが多いが、喉や顎の白い鱗に黒い点として確認できる。

 

ヘビダニはヘビの目の周りの柔らかい皮膚を好むので、目の縁が炎症を起こしていないか確認する。

 

白いティッシュペーパー等でヘビの首周りに巻きつけ、胴体に滑らせていく。

 

その後ティッシュペーパーに動く小さな物体がいないか確認する。

 

市販の爬虫類用ダニ駆除剤等を用いてダニを退治しましょう!

 

ウイルス

パラミクソウイルス(OPMV)

呼吸器系疾患と神経症状の両方を発症させる場合がある。

 

急性の場合は、何の症状も出ないまま、1週間以内に絶命してしまうこともあります。

 

症状としては、口呼吸に始まり、やがて血のついた粘液や痰を吐きます。

 

その後、運動機能障害、平衡感覚異常、痙攣などが見られます。

 

また、慢性的にOPMVに感染しているボールパイソンもいます。

 

そのような場合、ボールパイソンはうまく成長できず、

いつまでも呼吸器疾患を抱えていたり、何度も再発する可能性があります。

 

大抵の場合、肺に二次感染を引き起こし、死亡してしまいます。

 

その他

ボールパイソンの飼育をしていくうえで、様々な不足の事態が起こりうると思います。

 

その代表的な例を紹介していきます。

卵詰まり

メスのボールパイソンが妊娠した際に起こりえるのが卵詰まりです。

 

全ての卵を産みきれず、体内に残してしまうことが稀にあります。

 

卵がメスの体内で腐敗すると、細菌の毒素が血中に入り、敗血症に陥ります。

 

速やかに病院に連れていきましょう。

 

脱ヘミペニス

滅多にないことですが、交尾後、オスのヘミペニスが体内に戻らなくなってしますことです。

 

原因のほとんどは、交尾の際の外傷によるものです。

 

例えば、ヘミペニス収縮筋や排泄孔の括約筋にダメージを負った等。

 

脱ヘミペニスの場合、自然放置で治ることが多いです。

 

ただし、1日経っても体内にヘミペニスが戻らない場合は病院に相談しましょう。

 

脱皮不全

基本的にボールパイソンの脱皮は見事な一本脱ぎです。

 

ところどころ残る、脱皮がなかなか終わらない、というのは脱皮不全にあたります。

 

 

まず、脱皮のメカニズムを説明します。

 

ボールパイソンは体内の水分(体液、血液の総称とします)から表皮を剥離する為の液を精製します。

 

その液を外側の古い皮と新しい皮の間に分泌させて古い皮をうかせていきます。

 

脱皮時に身体や目が白濁するのはこのためです。

 

つまり、重要なのは体内の水分量です!

 

湿度などの外部からの水分は、体内の水分の不足分を補う為のものです。

 

脱皮不全=剥離させる液が足りていない

剥離させる液が足りていない=慢性的な水分不足

 

水分不足(体液不足)はボールパイソンの代謝、熱伝導、酸素の供給といった生命活動に関して影響を及ぼします。

 

水分不足にならないよう、一番に見直す点は飲み水です。

 

ボールパイソンは変温動物ですので、水道から出したばかりの冷たい水は好みません。

 

ボールパイソンの飼育湿度に関しては、ケージ全体の湿度を上げるのではなく、ケージ内に湿度の高い場所を作ることを言います。

 

ウェットシェルターを用いるか、霧吹きをするなどして、ボールパイソンの鼻腔内部を保護することが重要です。

 

脱皮不全が起きてしまった場合の対処方

万が一脱皮不全がおきてしまった場合、症状を改善させる方法はいくつかあります。

 

代表的な例は温浴させることです。

 

ボールパイソンの身体が入る蓋がきちんと閉まるプラケや衣装ケースを用意します。

 

30℃前後のぬるま湯にヒタヒタにつけたタオルを中に敷き詰め、ボールパイソンを入れます。

 

この際、容器内の温度が25℃を下回らないようにしましょう。

 

また、ボールパイソンを入れておくのは30分~1時間を目安にします。

 

皮がふやけたら手、もしくは綿棒等を用いて剥いてあげましょう。

 

これでも解消されない場合は、更にステップアップした温浴をさせます。

 

上記と同じ容器を用意し、ボールパイソンの身体が7割程浸かれる水位まで35℃前後のぬるま湯をいれます。

 

中にボールパイソンを入れ、ぬるま湯が冷めないよう加温しながら30分前後放置します。

 

その後、上記と同じように皮を剥きます。

 

もちろん、大事なのは脱皮不全を起こさせないことです。

 

これらは一時的な対処法でしかないので、脱皮不全を起こしてしまったらまず飼育環境を見直しましょう。

 

人畜共通感染症

ボールパイソンから人間に感染してしまうものがあります。

 

 

クリプトスポリジウム…排泄物から感染します。

 

症状は吐き気・腹痛・発熱・下痢で、死亡例も報告されています。

 

クリプトに関しては人間にも有効な治療薬がありません。

 

経口感染です。

 

ケージ内の掃除の際、排泄物の付着した水入れの飛沫などが顔に飛んできたら要注意です!!

 

免疫が落ちていると感染しやすいです。

 

爬虫類も人間も健康でいるよう心掛けたいですね…

 

爬虫類の人畜共通感染症としてよく耳にするもののうちにサルモネラ菌があります。

 

ボールパイソンの体内にもサルモネラ菌が保有されている可能性は高いです。

 

ただし、ボールパイソンの保有しているサルモネラ菌が人間に感染することは極めて稀です。

 

ボールパイソンの病気・怪我  まとめ

不適切な飼育環境だと、ボールパイソンのストレス誘発や免疫力の低下などを招き、結果様々な病気を呼び込んでしまします。

 

大事なのは病気や怪我に繋がらない環境作りです!

 

ただし元々先天性疾患を抱えている可能性も有ります。

 

お家でできる対処もありますが、どうしようもない場合は速やかに病院に相談しましょう。

 

爬虫類を診てくれる病院をあらかじめ見つけておくと安心です。

 

https://pet.caloo.jp/hospitals/search/all/a10/all

↑爬虫類を診てくれる病院を検索できます。

 

爬虫類の診察を受け付けていても、亀のみ、という病院もあるので、行く前に問い合わせましょう。

 

健康って大事よね!

 

ボールパイソン まとめ

ボールパイソンの生態

ボールパイソンの寿命

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