この記事の目次
コーンスネークの餌とその与え方
コーンスネークの餌の種類
コーンスネークに限らず、特殊な食性のヘビを除いた多くのペットスネークはネズミを食べます。
今回は栄養バランスに優れ、サイズもコーンスネークにぴったりなマウスに焦点を当てていこうと思います。
冷凍餌
冷凍された餌の総称です。
マウス、ラット等のネズミをはじめ、冷凍コオロギや冷凍ヤモリ、冷凍ヒヨコ等様々な冷凍餌が存在し、コーンスネークには主に冷凍マウスを用います。
冷凍ですので管理が非常に楽で比較的長持ちなところが最大の利点です。 解凍方法はいくつかあります。
・常温解凍…冷凍餌をそのまま室温で置いておいて解凍します。時間がかかる上に内臓まで解凍されにくく、さらに夏場等は傷みがはやいためあまりおすすめできません。
・ヒーター…パネルヒーターやひよこ電球などの熱を利用した解凍です。こちらも時間がかかってしまう上、中まで解凍されずヘビがお腹を壊す原因になりやすいです。
・湯煎…お湯を張ったボウル等にエサを入れ、マウスを解凍する方法です。
お湯に入れることでマウスのにおいが落ちてしまいヘビが食べなくなる場合、少々手間ですがマウスをビニール袋に入れた上でお湯に入れると良いでしょう。
このときしっかり熱が伝わるようにするために袋の空気をなるべく抜くようにするとよいです。(袋の口を縛らずに、水が入らないよう手で持った上で箸などでマウスをしっかり沈めると水圧によって空気が抜け、真空状態になります。)
あまり時間がかからない上、確実に内臓まで解凍することが出来るため、1番簡単で効率のいい方法と言えます。
・電子レンジ…文明の利器である電子レンジを利用して最速でマウスを解凍できます。
適度な加熱時間を覚えるまでは加減が難しいですが、一度身につければこちらの方法が1番楽です。
難点としては、加熱しすぎると爆発して庫内が大変なことになる点や、ネズミをチンするということで家族が嫌がること等が挙げられます。
生き餌
文字通り生きたマウスを用います。冷凍餌と比べると餌付きがよく、ヘビ本来の捕食者としての一面を垣間見ることができます。
当然生きていますので維持費がかかる上、育ってしまうとヘビが食べられないサイズになってしまうため少々管理に手間がかかります。
ネズミ以外
コーンスネークを飼いたい!でもネズミをあげるなんて残酷なことしたくない!ネズミは気持ち悪い!そんな方もいらっしゃると思います。
ですが初めにお話したとおり、ネズミはヘビにとって完全栄養食と言われるほど栄養バランスに優れています。
せっかくお迎えした可愛いコーンスネークを長く健康に育てるためにはネズミを与える必要があります。
餌のサイズ
コーンスネークに与えるマウスのサイズには成長段階でいくつか種類があり、さらにその成長段階にあわせてSSからLまでに細かくサイズ分けされています。
・ピンクマウス…生まれたてから毛が生える前くらいの小さなマウスです。
・ファジーマウス…うっすら毛が生えた頃から目が開く前くらいまでのマウスです。
・ホッパーマウス…目が開いた頃から成体になるまでの若いマウスです。
・アダルトマウス…繁殖が可能になった大人のマウスです。
・リタイアマウス…種親として利用していたマウスが引退したものです。
今回はマウスでの説明ですがラットにも同じ分類が適用されます。
サプリメント
きちんとマウスを食べている個体には特に必要はありませんが、こだわって育てたい場合や、なんらかの要因でヘビの調子が悪い場合、エサにカルシウムパウダーやビタミン剤をまぶして与えることがあります。
コーンスネークの餌の与え方
餌の量
コーンスネークの頭より一回り大きいくらいのものを、1度につき1匹与えてください。
エサを与えた時スルスルと飲み込めてしまうようですとエサのサイズが小さいです。
餌の頻度
ヘビの成長度合いにもよりますが、ベビーなら3,4日に一度、アダルトなら一週間〜二週間に一度程度給餌してください。
基本的には給餌後に排泄を確認したら次の給餌をしてもOKと考えて大丈夫です。
成長に伴うエサのサイズアップ
エサを与えた時にスルッとスムーズに飲めるようになったらサイズアップのし時です。
慣れないうちはサイズアップしたあとの大きいエサを頬張る姿に
「皮破けないかな…骨折れちゃわないかな…」
と不安になることもありますが大丈夫です。ヘビはよく伸びる生き物です。
飲み込む時に少し大変そうだな…と思うくらいが丁度いいサイズです。
動画による解説
準備中
餌代
冷凍マウスでは1匹およそ100~200円、活マウスでは1匹100~500円ほどです。
サイズによって差は出てきますがコーンスネーク1匹につき1ヶ月に1,000円前後がかかる計算です。
コーンスネークが餌を食べない時(拒食時)の対応
手をつけない時
ヘビがエサに手をつけない場合、以下のことを確認してからもう一度あげてみてください。
・ケース内の温湿度は適切か?…ヘビは温度変化に弱い生き物です。ですので適温より高い気温や低い気温になると餌を食べないことがあります。
ケース内の気温を適温にし、しばらくして落ち着いた頃もう一度エサを与えてみてください。湿度が高すぎたり低すぎたりしても同様に食べないことがあります。
・エサの温度は適切か?…冷凍餌の場合、エサが熱すぎる、冷たすぎるときもヘビはエサを食べません。
また、熱すぎるエサは火傷の元、解凍しきれていないエサはお腹を壊す元にもなるので必ず適温のエサを与えてください。
・脱皮前ではないか?…ヘビをよく観察してみてください。体の色が白っぽくなっていたり目が白く濁っていませんか?
脱皮前はとても繊細になる時期で、エサを食べなかったり普段より気性が荒くなったりします。その場合無理に食べさせず脱皮が終わるのを待ちましょう。
・ストレスを与えていないか?…人間がべたべた触りすぎたり、ほかの動物のにおいや気配がする場合ストレスからエサを受け付けなくなることがあります。
静かな部屋にケースを置く場所を移動させ、数日落ち着かせてからもう一度エサを与えてみてください。
・病気ではないか…見極めがたいへん難しいのですが、病気になっているためエサを受け付けない場合もあります。
あまりにも長い期間エサを食べない、痩せてきた、等少しでもおかしい点があればすぐに獣医師の診察を受けてください。
ほかにエサの種類が気に食わないために拒食するヘビもいますが、コーンスネークの場合ほとんどがマウスに餌付いています。
もしエサを切り替えたい場合、食べる餌を与えたい餌に擦り付けたりしてにおいを移してやると食べるようになることがあります。
どうしてもエサを食べない時は強制給餌という手段がありますが、すさまじい負担となるためできれば強制給餌が必要になるような状況を作らないことが大切です。
吐き戻してしまった時
コーンスネークは基本的によほどのことが無ければ吐き戻しはしませんが、考えられる要因を挙げていきます。
・気温が適切でない…エサを食べたあと気温が低すぎたり高すぎたりするとエサを吐き戻すことがあります。ケース内の温度を適切に調整し、数日あけてエサを与えてみてください。
・強いストレス…環境が変わったばかりだったり、慣れないハンドリング後であったり、触りすぎであったり、揺れやほかの生き物の気配を感じたりすると吐き戻してしまうことがあります。
この場合なるべくヘビと触れ合わず、静かなところにケースを置く場所を移してください。
数日あけてヘビが落ち着いたころもう一度エサを与えてみてください。
・エサが大きすぎる…エサが大きすぎる場合手をつけないことが多いのですが、それを頑張って食べてしまった時に苦しくなって吐いてしまうことがあります。
上記二つの原因に心当たりがない場合には一度サイズダウンしたエサを与えるか、今与えているものを半分に切って与えてみてください。
・病気…感染症や腫瘍、食べられないものを誤食したことで消化管の中に異物がある場合などがあります。
上記三つを試しても食べない場合こちらかもしれませんので一度病院で診察を受けた方が良いです。
吐き戻すことはヘビにとって命取りともいえる非常に負担の大きなことですので、繰り返すようでしたら病院へ連れていってください。
強制給餌
拒食したヘビにできる最後の手段です。
薄いカード等で優しくヘビの口を開けさせ、小さく切ったマウスやピンクマウスSSなどをピンセットで押し込んだり、シリンジ(注射器)を使って卵黄を飲ませます。
ほかにもピンクマウスをミンチにしてヘビに与えることができるピンキーポンプという器具があります。
当然ヘビは嫌がります。
強制給餌が必要なほど弱ってしまったヘビは抵抗する度に体力を失っていきます。
強制給餌はある意味賭けのようなもので、強制給餌をしたお陰で立ち直ったヘビもいればそのストレスが決定打となって命を落としてしまうヘビも存在します。
あくまでももうどうしようもない、というときの最終手段になりますので強制給餌をする必要のある時が来ないよう心がけてください。
コーンスネークへの愛
はじめまして。今回初めて筆を執らせていただきました依綱(いづな)と申します。コーンスネークを飼っている方にも、コーンスネークに興味がある方にも有益な記事が書けたらなと思います。
今回はヘビ飼育の基本中の基本、ごはんについての記事になりました! 皆様はどんなヘビが好きですか?依綱はナミヘビ系のヘビが大好きです!
バリエーション豊かで色鮮やかなコーンスネークももちろん大好きです!これからもコーンスネークを中心にナミヘビについての記事を書かせていただきます。どうぞよろしくお願いします!